先日、パシフィコ横浜で開催された「EdgeTech+ 2025」に行ってきました。
今年のテーマは「生成AIで進化する開発現場」
会場はまあまあ!?の熱気で、「AIをクラウドからエッジ(現場)へ」という流れが確実に見えてきたな、と肌で感じる木金でした。
普段、組み込み系のPoCの話をいただいたときは「とりあえずラズパイでPoC作りましょう」と提案することが多い私ですが、今回の展示を見てその確信がさらに深まりました。
会場で感じた「疑問」と、それに対する「答え(わかったこと)」という形で、備忘録も兼ねてまとめてみます。
疑問1:エッジAIって、結局「画像の判定」だけでしょ?
わかったこと:いいえ、「現場で生成AI(LLM/SLM)」が当たり前の時代が来ていました。
これまでエッジAIといえば「カメラで不良品検知」のような画像認識(CNN)がメインでしたが、今年は空気が違いました。
「オンデバイス生成AI」や「SLM(小規模言語モデル)」という言葉が飛び交っており、ネットに繋がないスタンドアローン環境で、ラズパイクラスのデバイスが「言葉」や「文脈」を理解しようとしています。
- なぜ?:セキュリティ(社外にデータを出せない)と、リアルタイム性(通信遅延が許されない制御)のためです。
- 実感:これまでは「AI=クラウド」でしたが、これからは「ラズパイの中に小さな賢いAIを住まわせる」案件が急増しそうです。
疑問2:ラズパイは「おもちゃ」扱いされなくなったのか?
わかったこと:完全に「産業用の主役」になっていました。
数年前までは「産業用にラズパイ?」と眉をひそめる方(自分も含めて.. だって電源弱いし、SDカードは不安だし)もいましたが、2025年の今はもうその議論は終わったようです。会場では、メカトラックスさんやアヴネットさんをはじめ、「ラズパイを産業現場でどう安定稼働させるか」というソリューションが成熟しつつありました。
特に注目だったのが、Raspberry Pi Compute Module 5 (CM5) の展示です。
- ここが凄い:16GBメモリ版などのハイエンド構成が登場し、もはや低スペックな産業用PCを凌駕しています。
- 安心感:熱対策や振動対策がされた「産業用ラズパイ筐体」が各社から出ており、PoCで作ったものを「そのまま量産・現場導入」できるルートが確立されています
疑問3:なぜPoCにおいて「ラズパイ」が最強なのか?
わかったこと:「AIキット」との組み合わせによる爆速開発がチート級だから。
今回一番の収穫はこれです。
従来、エッジでAIを動かすには高い専用ボードや複雑な環境構築が必要でした。しかし今は、「ラズパイ + 公式AIキット(Hailo-8Lなど)」の組み合わせが強力すぎます。
- 入手性:Amazonやアキバですぐ買える。
- エコシステム:Pythonで数行書けばAIが動くライブラリの充実度。
- 拡張性:CM5になってもIO周り(RP1チップ)が強化され、カメラやセンサを繋ぐ速度が上がっている。
「高価な専用機材を取り寄せて2ヶ月待つ」のと、「手元のラズパイで明日動くデモを見せる」のでは、コンサルとして顧客満足度が段違いです。今回の展示会で、「スピードこそ正義」というPoCの鉄則を支えるのは、やはりラズパイなのかな思いました。
まとめ:コンサルとしての今後の戦略
「まずはラズパイで動かしてみる」。
このアプローチは、2025年においても、いや2025年だからこそ、最強の戦略です。
特にCM5とAIキットの普及で、PoCの段階から「実運用を見据えたスペック」で検証できるようになったのは大きいです。
「エッジAI、興味あるけど何から始めれば?」というお客様には、自信を持って「まずはラズパイでPoCやりましょう!」と提案していこうと思います。

